自殺教室
「なんで……」


千秋が最後まで言う前に豊は鍵を開けて玄関に入っていた。
そのままバンッとわざと大きな音を立ててドアを閉め、鍵も閉めた。

そこまでしてようやく千秋は静かになった。
それでも豊はすぐには部屋に向かわなかった。

玄関ドアに耳をピッタリをくっつけて千秋の様子を伺う。
千秋はしばらくその場にいたようだけれど、数分後ようやく諦めて帰っていく足音が聞こえてきたのだった。
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