自殺教室
キッと鋭い視線が飛んでくる。


「偶然? 本当にそう思う?」


奈穂は答えられない。
それほど恋愛の興味のない奈穂には、恋人ができない、思いが通じない辛さがわからない。

そんなことを言えばきっと珠美は逆上してしまうだろう。
モテているから言えることだと責められるかもしれない。

だから、言えない。


「私は私のことを一番よく理解してる。私はブスでスタイルも悪くて、だから選ばれないの!」

「珠美……!」


否定したいけれどできなかった。
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