相思相愛・夫婦の日常~羽♡兎編~
そして━━━━羽咲は剣豪と、ラブホテルの一室にいた。


『なんか、ごめん。
こんなとこ、連れてきちゃって……』

『い、いえ…/////』

『二人っきりになりたいなと思って』

『は、はい/////』

『シャワー、浴びる?』

『……//////』

『北袋?』

『あ、あの…私…/////』

『嫌?
嫌ならしない。
あくまでもお前は俺の教え子だし、傷つけたくない。
……………って、こんなとこに連れてきてる時点で傷つけてるよな?(笑)
コーヒーは飲んだから、茶でも飲む?
テレビでも見て帰るか!
あ、もちろん、普通のテレビな!(笑)』

『そ、そうじゃなくて!
私、その…は、初めて…で…/////』

『え……そうか。
北袋は可愛いから、当然経験済って思ってた。
……………だったら、俺はダメだな…
やっぱ、やめよ!
初めてを、俺なんかに捧げちゃダメだ!』

『え?ど、どうしてですか!?』

『俺、結婚してるんだ。
子どももいる』

『え?そ、そうなんですか……?』

『あぁ。
ごめんな。
北袋があまりにも可愛くて、つい……
帰ろう!
送るから!』

『………』

『ほら!北袋!行くぞ!』

『………やです…』
なかなか立ち上がろうとしない、羽咲。

『え?』

『嫌です!!
剣豪さんが良いです!!
お願いします!
一度だけで良いんです!
これで終わりにしますから!』


━━━━━シャワーの蛇口を閉め、ガウンを着てシャワー室を出た。

ベッドに腰かけた剣豪が、小さく手招きをする。
『おいで?』

顔を赤くして頷き、剣豪の隣にちょこんと座る。
『緊張…してるよな?(笑)』
『はい…/////』

『大丈夫だよ。
もし、怖かったり痛かったりしたら言って?
途中でやめるから』
『はい/////』

剣豪が、羽咲の頬に触れる。
『北…いや…羽咲、俺を見て?』

緊張で俯く羽咲の顔を向かせる。
『……/////』

『可愛い/////』

そして、口唇を親指でなぞりながら言った。
『キスは?
キスも、初めて?』
『ん…はい…/////』

『へぇー!じゃあ…全部の初めて、貰えるんだ!』
『……//////』

『嬉しいな…!』
そう言って、口唇が優しく重なった━━━━━━

それからは、もう…落ちていくだけ。

羽咲は、剣豪に愛される喜びと切なさに溺れながら、ただただ…剣豪にしがみついていた。
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