相思相愛・夫婦の日常~羽♡兎編~
二人のとある一日
GWが終わった、週初の朝。

洗面所から羽咲が、あくびをしながら出てくる。
キッチンに向かいながらバンスクリップで、簡単に髪を留める。

そして朝食の準備に取りかかった。
しばらくすると、鍋から美味しそうな匂いがしてくる。

基本的に朝食は、和食。
と言うより、黒羽はあまりパンを食べない。

40分程かけて朝食を作り終えて、寝室に向かった。

ゆっくりドアを開け中に入り、ベッドに横になっている黒羽に近づく。

黒羽と羽咲は、シングルベッドをくっつけて寝ているのだが、黒羽はいつも羽咲の方のベッドに寄ってきて寄り添うように眠っている。

なので、羽咲のベッドに片寄って眠っている状態だ。
羽咲はフフ…と微笑んで、バンスクリップを外しサイドテーブルに置いた。

そして“黒羽の方のベッドから”上がり、黒羽に後ろから抱きついた。
まるで抱き枕に抱きついているように、足も絡ませていると……

「んん…」
黒羽が寝返りをうって、反対に抱きついてきた。

「ひゃっ!!?」
ちょうど、羽咲の額に口唇が当たっていてなんだかくすぐったい。
なんとか、黒羽の腕の中から出ようともがく。

すると…頭の上から、フフ…と笑い声が聞こえてきた。
「え?」

「フフ…おはよ、兎ちゃん!」
「お、起きてたの?」

「うん!起きてた!
フフ…兎ちゃん、蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶みたいだったね!
あ!でも!罠にかかった兎でもいいな!」

「はい?」
(表現がなんか…)

「ほんとは、寝返りをうってそのまま閉じ込めるつもりだったんだけど、あまりにももがいてるのが可愛くて……!
思わず噴き出しちゃった!」

「へ、へぇ…」
(遊ばれてたんだ、私…)

「ねぇねぇ、兎ちゃん」
「ん?」

「キスしよ?」
「うん…/////」
黒羽の顔が近づき、口唇が重なった。
チュッ!チュッ!と啄んで離れた。

「フフ…チュッチュッした後の兎ちゃんの顔、好きだなぁ!
ちょっと顔が赤くなって、目が潤んで俺を求めてくれてるみたいで!
……………もっと…したくなっちゃう………/////」
そう言って、再度口唇が重なった。

しばらくイチャイチャして、やっとベッドを下りた二人。
これは、毎朝のことだ。
なので羽咲は、少し早めに起きて朝食の準備をするようにしている。
(じゃないと、仕事に間に合わなくなるから)

黒羽は洗面所に行っている間に、羽咲は食事を温める。
黒羽もキッチンに来て、二人で出来た料理を運ぶ。
「羽くん、ありがとう!」
「うん!」

そしてチェアに座り、手を合わせる。
「「いただきます!」」

「んー、旨っ!」
美味しそうに頬張る黒羽に、羽咲も嬉しくなる。
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