相思相愛・夫婦の日常~羽♡兎編~
“特別”

「……/////」
(兎ちゃん、そんな風に思ってくれてるんだ!
嬉しい!)

「あの、あんま束縛しないでもらえます?」
黒羽が喜びに浸っていると、突き刺すように響人が言った。

「は?」

「うさちゃん、可哀想です。
いつ誘っても“旦那さんが”っていつも言ってて。
せめて、途中まで一緒に帰ろ?って誘っても“旦那さんが”って。
なんか、可哀想」

「なんで、君に俺達夫婦のことを口出されないとならないの?」

「俺は!うさちゃんが可哀想って言ってるんすよ!!」

「可哀想って、兎ちゃんが言ったの?
“束縛辛い”とか」

「そんなこと言わない。
でも、明らかに旦那さんに気を遣ってる。
たぶんだけど、一緒に帰るくらいは問題ないと思ってると思う」

「お前……」

「おい!!もう、やめろ!!」

「「━━━━」」
若畑が割って入り、黒羽と響人は口をつぐむ。

「ここ、店ん中。
王宮は落ち着け!
お前も、仕事に戻れよ!」

若畑のおかげでなんとか収まり、響人は仕事に戻った。
黒羽もお冷を一気に飲み干し、大きく息を吐いた。


「━━━━ごめん…」
店を出て、会社に戻る途中。
ポツリと言った、黒羽。

「ううん」
若畑は前を向いたまま言った。

「ねぇ」

「ん?」

「どうしたら、この嫉妬心と独占欲をなくすこと出きる?」

「そうだなぁー
王宮は何が嫌なの?」

「え?」

「嫁さんを信用してないとかじゃないんだろ?
浮気の心配とか」

「うん。
兎ちゃんが、俺以外の奴の目に入ることが嫌」

「………重症だな…(笑)」

「出来れば……」

「ん?」

「あ、いや…何もない。
さすがにヒくだろうし……」

「いいよ、言えよ。
心配せんでも、もう既にヒいてるから(笑)」

「出来れば、監禁したい………!!」

「………」
(ドン引きだな……)

「ドン引いた?」

「ドン引いた(笑)」

「だよね…」

「まぁ、ひくってことがわかってるなら良いんじゃね?」

「はぁ…」
「━━━━━てか!
嫁さんも、お前にベタ惚れだよな」
落ち込んだようにため息をつく黒羽の肩に手を置き、微笑む若畑。

「え?」

「だから、心配せんでもいいじゃん!
お前以外の男の目に嫁さんが入ろうと、嫁さん自身が興味なさそうだしよ」

「は?」

「は?見てわかんねぇ?
当事者だから、わかんねぇのかな?」

「兎ちゃんが俺に?ベタ惚れ?
何その、神がかった言葉」

「だって、見惚れてたもん。嫁さん」
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