相思相愛・夫婦の日常~羽♡兎編~
「そのパズゴ、羽くんも製作チームの一員なんだよ!」

「へぇー!そうなんだ!」
「フフ…羽咲がどや顔してるし(笑)」

「フフ…だってー、自慢の旦那さんなんだもん!」
羽咲とマリンとヒデミは、楽しく会話をしていた。

黒羽も、羽咲を見ながら微笑んでいた。

「フフ…旦那さん、羽咲にはそんな風に笑うんですね!(笑)」
「ほんとだ!(笑)」
マリンとヒデミが、クスクス笑っている。

「あ、はい。
兎ちゃんは、俺の全てなので」

「「あ(笑)ノロケだ~(笑)」」

そんなやり取りを、コマツはジッと見ていた。



後日━━━━黒羽が仕事から帰っていると、向かいから女性が駆けつけてきた。

「あ!羽咲の旦那さん!!?」
「え?あ…」
(コマツって女だ!)

バッと、黒羽の背中に隠れた。
「え?」

「助けて!!」

「は?」

すると、向かいから今度は男性が駆けてきた。
「コマツ!!逃げんなよ!!」

「しつこい!!
もう終わったことでしょ!?」

「はぁ!?俺は別れたつもりない!
とにかく!隠れてねぇで来いよ!!」
男は黒羽の背中に隠れているコマツの手を掴み、引っ張った。

「離して!!」
コマツは振りほどこうともがきながら、黒羽に助けを求めるように見上げた。

(なんで、俺が助けないとならないんだ?)

しかし━━━━
ここで無視すると、羽咲を傷つけることになる。

コマツは、羽咲の友人だ。
“羽咲のために”助けないとならない。

黒羽は、コマツの手を掴んでいる男の手を片手で掴み、捻りあげた。

「いてててて……!!!?」

「嫌がってるでしょ?離してあげなよ」

「はぁ!?お前には関係な━━━━━━」
「関係あるの!
俺の奥さんの友達なんだ、この人。
だから離してよ」

「わ、わかった、わかったから!」
そこでコマツの手を離した男。
黒羽に掴まれた手をさすりながら、黒羽を睨み付けた。

「お前、何者?」

「は?人間だけど?」

「いや、お前ただもんじゃねぇだろ?
どっかで見たことが………」

「は?それ、どうでもいいでしょ?
とにかく!もう、彼女を傷つけないでね。
俺も、迷惑だから」

そう言って、帰ろうと駅の方に向かった。
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