相思相愛・夫婦の日常~羽♡兎編~
マンションを出て、駅に向かいながら煙草を取り出す黒羽。
頭の中は、羽咲のことでいっぱいだ。
「ランチ、一緒したかったな」
兎ちゃんとランチ出来るのは、俺だけがいい。
でも、友達も大切にするって約束したしな。
また悶々と考えながら、駅に着いた。
駅内にある灰皿に煙草を潰し捨てて、ホームに向かう。
一番前の車両に乗るため、奥の方まで歩く。
ここなら、待っている人も少ない。
できる限り人と関わりたくないので、あえて一番前の車両に乗るようにしている。
電車が来て、乗り込む。
通勤ラッシュなため、一番前の車両でも乗客は多い。
できる限り窓側の端に寄り、肩幅くらいに足を開いてバランスを取りながらスマホを操作する。
アプリゲームをし始めた。
10分程揺られて、会社の最寄り駅に着く。
「よし、クリア…!」
いつもこの10分で難関レベルを一つクリアすると決めている。
だからどうってわけじゃないが、集中できるので余計なことを考えずに済むからだ。
「━━━━おはようございます」
デスクにつき、仕事を始める。
入社二年目に入ったばかりだが、仕事は出来るため社員達に頼りにされている黒羽。
「王宮さん!」
「はい」
「この資料作成、手伝ってくれません?」
「………」
(また、この女か…)
今年入社したばかりの新人女性社員・高城だ。
高城が入社した時から、やたら話しかけられている。
はっきり突っぱねてもいいのだが、面倒事は避けたい。
最近はやたら、◯◯ハラと騒がれるから。
「………いいですよ」
黒羽はしかたなく、協力するのだった。
本日の仕事が終わり、弁当でも買って帰ろうとすると………
「王宮さーん!」
また、高城が声をかけてきた。
「はい」
(またかよ…今度はなんだ?)
「王宮さんも帰りですよね?」
「はい」
「一緒にランチして帰りません?」
「………」
(嫌だ!“心の底から”嫌だ!)
「なんか予定あります?」
「………」
(ないよ?ないけど、嫌だ!)
「王宮さん?」
「あ…悪━━━━━━」
「おっ!!ランチなら、俺もー!!」
そこに、同僚の若畑が割り込んできた。
「え?若畑さんもですか?」
嫌そうな表情の、高城。
「いいじゃん!
みんなで、ランチしようぜー!」
若畑の言葉に、黒羽も賛同する。
「みんなでなら、いいですよ」
他の社員も一緒に、大勢で会社を出る。
歩きながら、黒羽は若畑に耳打ちした。
「若畑、ありがと」
「ん。
お前、気ぃつけろよ?
高城、確実にお前を狙ってるから!
既婚者っつったんだけどなぁ…
なかなか諦めねぇんだよ(笑)」
頭の中は、羽咲のことでいっぱいだ。
「ランチ、一緒したかったな」
兎ちゃんとランチ出来るのは、俺だけがいい。
でも、友達も大切にするって約束したしな。
また悶々と考えながら、駅に着いた。
駅内にある灰皿に煙草を潰し捨てて、ホームに向かう。
一番前の車両に乗るため、奥の方まで歩く。
ここなら、待っている人も少ない。
できる限り人と関わりたくないので、あえて一番前の車両に乗るようにしている。
電車が来て、乗り込む。
通勤ラッシュなため、一番前の車両でも乗客は多い。
できる限り窓側の端に寄り、肩幅くらいに足を開いてバランスを取りながらスマホを操作する。
アプリゲームをし始めた。
10分程揺られて、会社の最寄り駅に着く。
「よし、クリア…!」
いつもこの10分で難関レベルを一つクリアすると決めている。
だからどうってわけじゃないが、集中できるので余計なことを考えずに済むからだ。
「━━━━おはようございます」
デスクにつき、仕事を始める。
入社二年目に入ったばかりだが、仕事は出来るため社員達に頼りにされている黒羽。
「王宮さん!」
「はい」
「この資料作成、手伝ってくれません?」
「………」
(また、この女か…)
今年入社したばかりの新人女性社員・高城だ。
高城が入社した時から、やたら話しかけられている。
はっきり突っぱねてもいいのだが、面倒事は避けたい。
最近はやたら、◯◯ハラと騒がれるから。
「………いいですよ」
黒羽はしかたなく、協力するのだった。
本日の仕事が終わり、弁当でも買って帰ろうとすると………
「王宮さーん!」
また、高城が声をかけてきた。
「はい」
(またかよ…今度はなんだ?)
「王宮さんも帰りですよね?」
「はい」
「一緒にランチして帰りません?」
「………」
(嫌だ!“心の底から”嫌だ!)
「なんか予定あります?」
「………」
(ないよ?ないけど、嫌だ!)
「王宮さん?」
「あ…悪━━━━━━」
「おっ!!ランチなら、俺もー!!」
そこに、同僚の若畑が割り込んできた。
「え?若畑さんもですか?」
嫌そうな表情の、高城。
「いいじゃん!
みんなで、ランチしようぜー!」
若畑の言葉に、黒羽も賛同する。
「みんなでなら、いいですよ」
他の社員も一緒に、大勢で会社を出る。
歩きながら、黒羽は若畑に耳打ちした。
「若畑、ありがと」
「ん。
お前、気ぃつけろよ?
高城、確実にお前を狙ってるから!
既婚者っつったんだけどなぁ…
なかなか諦めねぇんだよ(笑)」