相思相愛・夫婦の日常~羽♡兎編~
「━━━━あ、もうそろそろだ…」
「姉ちゃん、仕事終わる?」

「うん、確か21時にはあがれるって言ってた!」

「帰る?」

「うん。迎えに行こうかなって思ってる。
兎ちゃんは一人で帰れるって言ってたけど、危ないし」

すると、丁度黒羽のスマホに羽咲から着信が入った。

「あ!兎ちゃん!!
━━━━━━もしもし!?兎ちゃん!!?
終わった!?」

『あ!羽くん!?
あ、あのね!今、何処?家?』
焦ったような羽咲の声。

「ううん、トキと居酒屋にいる。
駅裏の」

『あ…あの、一人で帰れるって言ったけど、やっぱり一緒に帰りたい!
迎えに来てくれる?
時くんも一緒でいいから!』

「うん!もちろん!
急いで行くね!」

『良かった…
……………羽くん…』
安心したように呟いた、羽咲。
黒羽の名前を呼ぶ。

「ん?」

『早く、来てね…』

「え?兎…ちゃん?」
そこで、通話が切れた。

「………」
「クロ?どうした?姉ちゃん、何て?」

「なんか、様子がおかしかった。
“早く来てね”なんて、思ってても恥ずかしがって言わないのに。
それになんか、焦ってた」

「なんかあったんじゃね?」
「……っぽいな」
響人とヨシロウも、心配そうに言う。

「クロ、行こうぜ!」
「うん!」
黒羽と時哉は、デパートに急いで向かった。


デパートに着き、羽咲に電話をかける。
『もしもし!?』

「兎ちゃん!!
今、デパートの前だよ!
何処にいる?」

『今からそっち行く!
待ってて!すぐだから!』

1分程で、羽咲が駆けつけてきた。
「━━━━━━羽くん!!」
そして、抱きついた。

「……っと…兎ちゃん?」
「姉ちゃん、大丈夫?」

「あ…時くんも、ありがとう」
黒羽の腕の中から顔を上げ、時哉に微笑んだ。

「なんかあった?」
頬に触れ、顔を覗き込む黒羽。

「………ううん!羽くんに、早く会いたかっただけ!」

少しの間があり、微笑んだ羽咲。
黒羽と時哉が、わからないわけがわけない。

「姉ちゃん、言えよ。何があった?」

「ほんとだよ、何もないよ」

「だったら、店の奴等に聞こうか?今から。
まだ、いるよな?従業員」

「え………」
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