辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
 手伝いを終えたリティは、持ってきた荷物の中から着替えを引っ張り出した。

 昨夜、ランベールと瞳の色の話をしたことを思い出し、明るい草色のワンピースにする。

「いいって、なにが?」

「普段会えないような人と会えるでしょ? いろんな話を聞けて楽しいなーって」

 ニナの明るく好奇心旺盛な性格がよくわかる感想だった。

「たしかにね。ほかの候補者とも話してみたいわ」

 リティが同意すると、またデルフィーヌが鼻を鳴らした。

「呑気なものね。友だち作りのために集まったわけではないのよ」

「だからって全員と敵対する必要はないじゃない」

< 104 / 426 >

この作品をシェア

pagetop