辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
「デルフィーヌさんが言っていたこと、私は賛成です。そんな態度でこの先に残り続けようとするなんて、恥を知って」

「エリーズ……」

 リティがなにか言おうとするも、エリーズは聞かずに背を向けた。

「……エリーズ、あんまり勉強が得意じゃないみたい。だから余裕がないだけだよ」

 瞳を白に近い水色に染めたニナが寂しそうに言う。

「私たちは争わなきゃいけないってわかってるよ。でも、こういうのは悲しいね」

「……そうね」

 リティにはそれだけを言うのが精いっぱいだった。

(私は……甘かったんだわ)

 デルフィーヌはともかく、ニナとエリーズとは友情を築けていた。

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