辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
エリーズと喧嘩している間、リティは鳥舎でランベールと話をした。
あの日、ランベールに言われた言葉と手の熱さは今も鮮明に思い出せる。
「もう少しだけでいいから、殿下と話をしたいわ」
「……やっぱりあなたのほうが私よりも妃に向いていますね」
しみじみと言われるも、リティにはその理由がわからない。
「どうして?」
「私はそんなふうに考えたことがありません。殿下に気に入られなければと思うばかりで、あの方がどんな方なのか知ろうともしませんでした」
エリーズはじっとリティの目を覗き込んでから、急に晴れやかに笑った。
そのはずみに、まだ残っていたらしい涙がほろりと落ちる。
あの日、ランベールに言われた言葉と手の熱さは今も鮮明に思い出せる。
「もう少しだけでいいから、殿下と話をしたいわ」
「……やっぱりあなたのほうが私よりも妃に向いていますね」
しみじみと言われるも、リティにはその理由がわからない。
「どうして?」
「私はそんなふうに考えたことがありません。殿下に気に入られなければと思うばかりで、あの方がどんな方なのか知ろうともしませんでした」
エリーズはじっとリティの目を覗き込んでから、急に晴れやかに笑った。
そのはずみに、まだ残っていたらしい涙がほろりと落ちる。