辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
(力を貸してくれてありがとう。あなたの美しさが永遠に続きますように)

 リティは凍りついた花に、心の中で礼を言う。

「私たちはここにいる誰よりも、リコバの魅力を知っています。どうかふさわしい栄誉をお与えください」

 胸を張ったリティは班員と並んで審査員たちに頭を下げた。

 見守っていた候補者の誰が始めたのか、ぱちぱちと拍手が聞こえる。

 それを皮切りに、最初はまばらだった拍手が大きな響きに変わった。



「終わったぁ」

 リティは自室に戻るなりベッドに飛び込んだ。

「お疲れ。すごかったじゃん」

 一緒に戻ってきたニナが言い、リティのベッドに座る。

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