辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
「あれは負けても納得だよ。デルフィーヌもそう思うでしょ?」

「あれだけの利用価値を提示できたのは素直に素晴らしいと思うわ。でも、学者の発表会ではないのよ。あれを他国の王族に披露できて? なにを地味なことをと笑われてもおかしなくわ」

 そう言うデルフィーヌの発表は、ニナの話によるとそれはもう豪華絢爛だったそうだ。

「デルフィーヌはリコバの実の効能を伝えるっていうより、完全に賓客への出しものとして扱ってたもんね。私もあの熱くて冷たそうなやつ、食べたかったなあ」

「なあに、それ。そんなものを出したの?」

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