辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
 そうしている間もニナはリティの呼びかけに応えず、苦しそうに自分の喉を押さえていた。

「ニナ。お願い、返事をして。ニナ……!」

 突然の事態に理解が追いつかないリティの目の前で、二ナの瞳の色が目まぐるしく変化する。

 特に赤い色が多いことから、リティは彼女が危険を警告しているのだと気づいた。

 しかしなんの言葉も引き出せないまま、不意にその瞳が真っ黒になる。

そしてニナは、動かなくなった。
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