辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
最初から、決められていた
 異変が起きたのはリティたちの部屋だけではなかった。

 ほかの候補者も倒れ、無事なのはデルフィーヌとリティの班員たちだけだという。

「ありえないわ」

 デルフィーヌとふたりきりになったリティは、猛烈な怒りに燃えていた。

「ニナの班が使った材料に毒草が紛れていたですって? そんなの絶対にありえないのよ!」

 落ち着きなく室内を歩くリティを、うつむいたデルフィーヌは止めなかった。

「デルフィーヌも知っているでしょう? ニナは家に大きな薬草園があるって言っていたこと……。それなのに毒草と薬草を見間違えた? 毒草に気づけない? 変よ!」

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