辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
「最近、ここでよく会うわね。戦鳥の癒やし効果を理解したってところかしら? 成鳥に興味はなくても、雛のかわいさはわかるとか?」

 わざと明るく話しかけるも、デルフィーヌの反応には以前ほどの力がない。

「……あなたには関係ないでしょう。わたくしに話しかけないで」

「もう同じ部屋の仲間はあなただけなのよ。それなのに話すなって言うの?」

「だったらわたくしが部屋を移るわ」

「そんなわがまま、通らないんじゃない?」

「もう東西の邸宅は空き部屋ばかりなのよ。誰がどこにいようと関係ないわ」

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