辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
燃える氷と、凍った炎
 ――まさか、こんな試験があるなんて。

 候補者たちの次の試験は、西の邸宅の最上階にある広間でパーティーを開くこと。

 賓客を招く際、妃として完璧に接待しなければならないため、その適性を確かめるというものだ。

 そして今回、そのパーティーの場には炎の妖精が招かれるという。

 『彼女』の記憶に、炎の妖精が人前に姿を見せた記録はない。

 だから城のどこに隠されているのかを調べ、そこに向かうための封印を解こうとしたのだが、強力な炎の壁を抜ける方法が見つからなかった。

しかし焦る必要はなかったのだ。

 余計な真似をしなくても、ただ勝ち残るだけで炎の妖精に近づけるのだから。

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