辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
 デルフィーヌを抱えたジョスランが大きな窓のそばで声を張り上げる。

 ランベールはうなずきを返すと、リティの手を掴んだ。

「外から逃げるそうだ。鳥の乗り方は覚えているな?」

「はい!」

 駆けだしたふたりは、ジョスランに導かれて窓の外へ飛び込んだ。

 そこには鳥舎にいた戦鳥たちが飛び交っており、リティたちの身体もほかよりは小柄な鳥に支えられる。

 既に脱出していたらしい騎士たちも同じように鳥の背に乗っていた。

「あら? あなた……」

 リティはやけにふわふわした戦鳥にしがみつき、その顔を覗き込んだ。

「どうした?」

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