辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
自分のための結婚
 あれからひと月が経った。

 一連の事件は氷の妖精を信仰するブランシュが単独で行動しただけで、組織的な犯行ではないと判断されている。

 氷漬けになった彼女の彫像は、西の邸宅の崩壊とともに粉々になったそうだ。

 これまでしたことがあるにせよ、一時は友人関係にあったリティの胸は痛んだ。

 そのリティはというと、まだ一応ランベールの妃候補である。

 ランベールが彼女を脱落させようとする議会の時間稼ぎを行ったおかげもあるが、ブランシュの件でそんな話し合いをしている場合ではないのも幸運だった。

(最後の瞬間は、ちゃんと自分の目で見たいと言った私の願いを叶えてくれた)

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