辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
「ああ」

 ランベールはジョスランを伴って部屋に入ると、室内にいた三人を見て苦笑した。

「なんだ、またお喋りか」

「違います。ちゃんと勉強中でした」

「嘘ですわよ、殿下。お説教中でしたの」

「フィー!」

 慌てて止めるリティだが、デルフィーヌはつんとすましている。

「デルフィーヌに任せておけば心配はなさそうだな」

「それはそうですね……」

 はあ、と息を吐いたリティは、ランベールが手紙の束を持っていることに気がついた。

「それは?」

「君のご実家からの手紙だ。……ものすごい量で驚いた」

「あー……すみません」

 リティは手紙を受け取ると、さっそく一通目を流し見た。

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