辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
 絶句するランベールの背後で、ジョスランが笑いを堪えている。

「あの雷帝トリスタンとやり合うときは教えてくださいよ。俺、弁当持って見学に行きますんで」

「こういうときは最も信頼する騎士を代理で戦わせるものじゃないか? なんだったら、お前にはジョエル殿を譲ってもいい」

「遠慮しておきます……と言いたいところですが、手合わせ願うのも悪くないですね。その流れでマルセル殿にも出てきてもらいもんです」

「正式な結婚の前にリティを寡婦にするつもりか?」

「もし本当に戦うことになったら、私が父さんたちに言って聞かせますから安心してください」

 ジョスランがそれを聞いてまた笑った。

< 420 / 426 >

この作品をシェア

pagetop