石の下に眠る君に早く 「愛してる」が言いたい
誕生日の翌日。彼女は意識を失い、そのまま眠る様に息を引き取った。

直接的な原因は、心臓ではなかった。何か難しそうな医学用語を医者から伝えられたが、遠い国の呪文のように僕の頭には残らなかった。

ハルカが生きてる間、僕は泣かなかった。彼女が意地でも泣かなかったからだ。

死後、1週間が経ち、僕宛の手紙が残されていると知らされた。深呼吸してゆっくりと封を開く。そこには所々涙で滲んだ、彼女の震えるような文字が、一文字 一文字、丁寧に書かれていた。

ピンク色の便箋。あの売店で、どんな気持ちでこれを選んだのだろうか。
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