石の下に眠る君に早く 「愛してる」が言いたい
「ピアスの御礼にキスがしたい」
まっすぐにこちらを見ながらハルカが言った。

唐突な話に固まる僕の頬に、1つ。経験したことが無い小さい雷が走った。初めてのキスだった。

「あ、ありがとう」
しどろもどろになりながら、よく分からない返事をした。

少しの沈黙が続いたのは、感じた唇の柔らかさに目眩を覚えたからだ。ハルカの体は骨ばっていて、どこもゴツゴツしていると思っていた。
まだあんなにも肉感的な部分が残されていたことに、心に火が灯る感覚を覚えた。
< 8 / 13 >

この作品をシェア

pagetop