『オーバーキル』一軍男子に脅かされています
(匠刀視点)

星川が写メを送って来たのは、総合特進コースに通う1年で、相田(あいだ) 知佳(ちか)
中学部の時に、俺と同じクラスだった女だ。

「相田いる?……ちょっといいか?」
「ッ?!津田くん!」

中学3年間、同じクラスだったとはいえ、笑顔で会話する仲じゃねぇだろ。
なんか嬉しそうに駆け寄ってくるそいつを、俺はイラっとしながら教室から連れ出した。

普段は使わない外階段へと出た俺は、間髪入れずに口を開く。

「俺が来た理由、分かる?」
「……ん」
「じゃあ、言わせて貰うけど。お前、桃子に何言ったんだよ」

声をかけたトーンとは違い、完全に怒りに満ちた声音で問い詰める。
普段の俺からは無い、あからさまな憤怒した態度を悟ったのか。
一歩後退りした。

結局、桃子は星川に一言も言わなかったらしい。
明らかに精神的にショックを受けているのを分かってても。
意外と意地っ張りな性格だから、簡単に心の内を打ち明けたりしない。

だから、聞くならコイツを問い詰めた方が手っ取り早い。

「女だからって、容赦しねーぞ」
「……っ」

暫く視線を泳がせていた相田は、両手を握りしめて口を開いた。

「津田くんが中学部の時に凄く勉強頑張ってたのを知ってるし、内部進学するなら当然スポーツ特進だと思ってたのに。何で普通科なの?それも特進じゃなくて理系だなんて…」
「……お前に関係ねーじゃん」
「そうかもだけど、勿体ないじゃないっ」
「だから、俺が何をしようが、お前に関係ねーっつってんだろ」
「っ……、仲村さんのせいでしょ?」
「あ?」
「仲村さんが理系だから、だから理系にしたんでしょ?」
「お前、人の話聞いてねーだろ」
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