『オーバーキル』一軍男子に脅かされています
*
GWに入り、兄貴の彼女が遊びに来た。
白修館大学へと内部進学した兄貴は、空手を続けながら、教育学部を専攻している。
将来、現役を引退したら、小学校の教諭になりたいらしい。
野獣のような体躯だが、子供たちに指導するのは丁寧で。
教師を選択したのは、兄貴らしいなと思った。
「匠刀、ちょっと入るぞ」
すっかり引きこもりの俺を心配してか。
兄貴が珈琲の入ったカップを手にして現れた。
「彼女は?」
「母さんと夕飯作ってる」
「もうすっかり嫁じゃん」
付き合い始めて一年ちょっと。
女っ気が全くなかったオタクの兄貴に初めてできた彼女は、なんと兄貴と同じで、アニメオタクだった。
だから意気投合したのだろう。
今じゃすっかり家族の一員みたいになって、しょっちゅう泊りに来てる。
「部活もしてないんだってな」
「……それが言いたくて来たのかよ」
自宅での稽古もすっぱり辞めた俺は、部活も勉強も全てを放棄した状態。
桃子がいなくなって暫くは何も言わなかったけど、最近はしつこく稽古しろと言って来る。
「明後日、誕生日だろ」
「……」
「俺から、2日早いプレゼントやるよ」
「……」
どかっと座り込んだ兄貴は、何だか楽しそうに俺を見る。
5月7日は俺の誕生日。
子供の頃は兄貴から誕生日プレゼントを貰ったりしたけど、もう何年も貰った記憶がないのに。
「モモちゃん、全寮制の女子校に通ってるって」
「ッ?!!!今、何て言った?!」
「だから、全寮制の女子校だって」
「何で兄貴が知ってんの?どこにある女子校?何県?こっから遠いの?桃子は元気にしてるって?」
「お前ホント、モモちゃんのことになると凄いな」
「俺のことはどーでもいいから!桃子のことを教えろよっ!」
突然の兄からの言葉に、俺はベッドから起き上がり、ラグの上に正座した。
GWに入り、兄貴の彼女が遊びに来た。
白修館大学へと内部進学した兄貴は、空手を続けながら、教育学部を専攻している。
将来、現役を引退したら、小学校の教諭になりたいらしい。
野獣のような体躯だが、子供たちに指導するのは丁寧で。
教師を選択したのは、兄貴らしいなと思った。
「匠刀、ちょっと入るぞ」
すっかり引きこもりの俺を心配してか。
兄貴が珈琲の入ったカップを手にして現れた。
「彼女は?」
「母さんと夕飯作ってる」
「もうすっかり嫁じゃん」
付き合い始めて一年ちょっと。
女っ気が全くなかったオタクの兄貴に初めてできた彼女は、なんと兄貴と同じで、アニメオタクだった。
だから意気投合したのだろう。
今じゃすっかり家族の一員みたいになって、しょっちゅう泊りに来てる。
「部活もしてないんだってな」
「……それが言いたくて来たのかよ」
自宅での稽古もすっぱり辞めた俺は、部活も勉強も全てを放棄した状態。
桃子がいなくなって暫くは何も言わなかったけど、最近はしつこく稽古しろと言って来る。
「明後日、誕生日だろ」
「……」
「俺から、2日早いプレゼントやるよ」
「……」
どかっと座り込んだ兄貴は、何だか楽しそうに俺を見る。
5月7日は俺の誕生日。
子供の頃は兄貴から誕生日プレゼントを貰ったりしたけど、もう何年も貰った記憶がないのに。
「モモちゃん、全寮制の女子校に通ってるって」
「ッ?!!!今、何て言った?!」
「だから、全寮制の女子校だって」
「何で兄貴が知ってんの?どこにある女子校?何県?こっから遠いの?桃子は元気にしてるって?」
「お前ホント、モモちゃんのことになると凄いな」
「俺のことはどーでもいいから!桃子のことを教えろよっ!」
突然の兄からの言葉に、俺はベッドから起き上がり、ラグの上に正座した。