『オーバーキル』一軍男子に脅かされています
(匠刀視点)
桃子の教室の前を通りかかったら、今朝は桃子の姿がなかった。
来る途中でも行き会わなかったし、スマホを確認しても連絡もない。
すぐさま電話をしてみるも繋がらない。
桃子は普段サイレントにしている。
「星川っ」
後ろのドアから教室の中にいる星川を呼ぶ。
俺の声に反応するように廊下に出て来た星川は、あからさまに視線を逸らした。
「桃子は?」
「……トイレかな」
「嘘だろ」
「……」
「お前、嘘吐けねー奴じゃん」
「っ…」
「保健室か?」
「……ううん」
「一緒には来たんだ?」
「……ん」
職員室にでも行ってるのか?
「あ~~っ、もう!桃子、知らない子に呼び出されたの」
「は?」
「南棟の制服を着た子だったから、同じ普通科の子だと思うけど、玄関で拉致られて」
「意味分かんねーぞ」
「だから、なんか朝から物々しい感じで、その子についてったんだよ」
「それ、何分前の話?」
「5分も経ってないと思う」
「相手は1人?」
「……うん」
くそっ。
誰だよ、その女。
男なら告白。
女なら警告か、宣戦布告か。
はたまたイジメか。
「次、拉致られそうになったら連絡して」
「……分かった」
桃子以外で俺の連絡先を知ってる女子は、星川だけ。
桃子に何かあった時用に俺の連絡先を教えた。
普段、やり取りすることは全くないけれど。
こういう万が一の時のための連絡先なのに。
怒り散らしたい感情が蠢く。
星川に当たっても仕方ないのは分かるが、桃子の居場所が分からないだけで、気が狂いそうだ。
「あ、予鈴だ」
教えてくれなくても、聞こえてるっつーの。
桃子の教室の前を通りかかったら、今朝は桃子の姿がなかった。
来る途中でも行き会わなかったし、スマホを確認しても連絡もない。
すぐさま電話をしてみるも繋がらない。
桃子は普段サイレントにしている。
「星川っ」
後ろのドアから教室の中にいる星川を呼ぶ。
俺の声に反応するように廊下に出て来た星川は、あからさまに視線を逸らした。
「桃子は?」
「……トイレかな」
「嘘だろ」
「……」
「お前、嘘吐けねー奴じゃん」
「っ…」
「保健室か?」
「……ううん」
「一緒には来たんだ?」
「……ん」
職員室にでも行ってるのか?
「あ~~っ、もう!桃子、知らない子に呼び出されたの」
「は?」
「南棟の制服を着た子だったから、同じ普通科の子だと思うけど、玄関で拉致られて」
「意味分かんねーぞ」
「だから、なんか朝から物々しい感じで、その子についてったんだよ」
「それ、何分前の話?」
「5分も経ってないと思う」
「相手は1人?」
「……うん」
くそっ。
誰だよ、その女。
男なら告白。
女なら警告か、宣戦布告か。
はたまたイジメか。
「次、拉致られそうになったら連絡して」
「……分かった」
桃子以外で俺の連絡先を知ってる女子は、星川だけ。
桃子に何かあった時用に俺の連絡先を教えた。
普段、やり取りすることは全くないけれど。
こういう万が一の時のための連絡先なのに。
怒り散らしたい感情が蠢く。
星川に当たっても仕方ないのは分かるが、桃子の居場所が分からないだけで、気が狂いそうだ。
「あ、予鈴だ」
教えてくれなくても、聞こえてるっつーの。