君と乗り越えた時


「もちろん。私は他の人の言葉より、翔真の言葉を一番に信じるよ。」

そんなの当たり前だ。

だって、翔真は私の事を傷付けたり裏切ったりなんて絶対にしない。嘘をつくことだってしないって心から思っているから。


「莉乃、ありがとう。変な話してごめん。明日もバイトだし、早く寝ようか。」

ぎゅーと強く抱きしめられて、これじゃあ寝れないよ、なんて笑うと、翔真も先程までの変な雰囲気がとれていつも通りに戻った。


間違いなく翔真の周りで何かが起きているんだろうけど、話してくれるまで待とうと思った。

きっと翔真のことだから、頑張って考えている段階だと思うから。


私達はもう十分、困難を乗り越えた。

だから、きっと大丈夫だって。この先もずっと一緒にいられるって、この時の私は心からそう思っていた。



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