君と乗り越えた時
だけどそんな私の気持ちが、揺らいでしまう出来事があったのは、本当にすぐのこと。
【 ごめん、今日も用事があって会えない 】
あの話をした日から、そんな連絡が続くようになった。
別に恋人同士だから毎日会わなきゃいけないわけではない。
だけど、今までほぼ毎日一緒にいたのに、急にこんな風に会えない、と言われてしまうのは少し寂しいなぁって思った。
そんなある日、バイトをしていると…。
「いらっしゃいませ。」
「こんにちは!莉乃ちゃん。」
「あ、航くん。いらっしゃいませ。」
翔真と同じサークルの航くんが、バイト先のケーキ屋さんに来てくれた。
航くんはスイーツ男子で、翔真と付き合う前からこのお店の常連さんだった。
よく航くんから話かけてくれて、いつの間にか打ち解けていた。