君と乗り越えた時
「あの、明日って…。」
「ん?」
キスを止めて翔真に話しかけると、出会った時からずっと変わらない、優しい笑顔でこちらを見つめて耳を傾けてくれた。
「明日、急にシフトが変わってバイトが一日休みなんだけど…。」
「そうなの?俺も明日は予定ないから、一日一緒にいられるね。」
翔真の嬉しい、という気持ちが笑顔からも読み取れて安心していると、すぐさま腕の中に閉じ込められた。
「莉乃は明日は何したい?」
「どうしよう。久しぶりに一緒に料理を作って食べるとか?」
「いいね、そうしよ。」
少しずつ、二人の間にあった距離は縮まって、普通に会話ができるようになったことが嬉しくて笑うと、翔真も安心したように笑った。
何を作るか決めて、明日はスーパーに買い物に行って、なんてテンポ良く決まっていった。