君と乗り越えた時


そのまま翔真の後について部屋に入ると、久しぶりに入るのに中は全く変わっていなくて。

ぐるりと部屋を見渡せばいつも通り綺麗になっている部屋。

一緒に買った小物が前と全く変わらない位置に飾ってあって、少し違うのは水族館で一緒に撮った写真がフレームに入れられて飾られていたこと。

前と全く変わらない部屋なのに、どこか落ち着かない気持ちになってしまうのはなんでだろう。


いつもの場所に腰を下ろすと、翔真も一人分の間を空けて隣に座った。

「最近ずっと忙しいって言ってたのさ、相澤のところに行ってた。」

「え?」

「さっきの子に言われたんだ。相澤が…、なんで莉乃にあそこまでのことをしたのか理由を知りたくないかって。」

「…なんであの子が?」


私とあの子には何も接点がみつからないし、智也と知り合いだったってこと?あの子は翔真のサークルのマネージャーの子…じゃないの?

あの子の関係性が全く掴めなくて頭の中が混乱してしまう。


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