君と乗り越えた時

「一体、何が目的？」

俺の情報もしっかり持っていて、莉乃と相澤のことも知っている。

ただ俺に好意があるってだけじゃないのか…。


「簡単には教えないよ？私が翔真くんのことが好きなのは本当だし、私と付き合ってくれたらもっと詳しく話してあげる。」

「いや、付き合うのは絶対に無理。俺の高校の頃のこと知ってるなら、尚更わかって。俺はもう好きじゃない人とは付き合わない。」

何があってもそこだけはブレない、という意思をはっきりと示すけど、それでもマネージャーは納得いかない顔をしている。


「相田さんが翔真くんと一緒にいたら、もっと傷付くかもしれないのに？」

「……は？」

「今度こそ、相田さんを守りたくないの？」

じーっと、俺の目から視線を逸らさないマネージャーの表情には、少しの焦りが見えた。

なかなか俺が思うように流されないことは、彼女の中でも予想をしていなかったことなのかもしれない。