君と乗り越えた時


結局、相澤に会いに行っても、余計に謎が深まるだけで、マネージャーに話を聞くしか解決方法がなくなってしまった。

そんな俺の今の状況を知ったかのように、マネージャーが俺に連絡してきたのは、相澤の家に行った次の日のこと。


『返事は考えてくれた?』

『付き合うのは無理』

『じゃあ、翔真くんの家に遊びに行かせてくれたら、そこで一枚写真を消して、少し情報も教えてあげる』

スマホでメッセージのやり取りをしていると、そんな提案をされた。


家に入れるだけで消してくれるのなら、という気持ちと、家に入れるだけで済まないだろうと相手を信じきれない自分がいた。

必ず何か仕掛けてくる、莉乃を傷付けてくる、そんな不安が消えなくて、簡単には返事を送ることができない。





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