君と乗り越えた時


『明日のお昼頃、翔真くんの家に行くから』

なかなか返事を返さないでいると、そうメッセージが来たが、それに対しても返事をする気力がなかった俺は、そのままスマホをテーブルに置いて目を閉じた。

じわじわと追い詰められていく感覚が怖くて、最近は気が休まる時がない。

何か一つでも選択を間違えたら、取り返しのつかないことになりそうで…。

莉乃を失うことになりそうで怖い。


マネージャーの言う通りにするしか方法がない今の状況をどうやって打破したらいいのか…。

俺の頭の中は、どうすることが莉乃のためになるのか、ただそれだけだった。


どれだけ考えても、家に来たい、というのは、その後で莉乃を攻撃するための行動としか思えない。

やはり家に入れるのは良くないと思った俺は、明日もしマネージャーが訪ねてきたら、家に入れずに外で話をしようと決めた。



< 38 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop