君と乗り越えた時
「いい加減にしてくれ…。こんなことに何の意味があるんだよ。」
抱きついてきたマネージャーに対して、イライラしてしまい、少し語気が強くなると、彼女は「こわ〜い」と言いながら離れた。
「そんなに怒らないでよ。約束通り家に入れてくれたから、いいこと教えてあげる。」
結衣に聞こえないようにするためなのか、俺の耳元にそっと顔を近づけてきた。
「相澤くんに写真を送りつけたのは、翔真くんもよく知ってる人だよ。そして、その人の本当の目的は、翔真くんが幸せになるのを阻止したいと思ってる。」
「…は?」
「その人は翔真くんに恨みがあるってこと。」
「そんな…っ、じゃあ…、莉乃と相澤はただの被害者ってこと?」
俺が原因で、莉乃達は傷付いてしまった…?
なんで…、俺に恨みがあるなら、直接俺にその恨みをぶつけろよ…。