君と乗り越えた時
家にあった避妊具をしっかり使い切って、満足そうにしている彼に抱きしめられていた時。
ブーッ、ブーッ…
「…珍しく翔真のスマホ、すごく鳴ってない?大丈夫?」
「…大丈夫。莉乃との時間より大切なものなんてないから。」
そう言って、少しもスマホを見ることなく私にキスをしてきた。
……なんか、怪しい。
あからさまにスマホから目を逸らした様子が怪しいし、今してきたキスは、何かを誤魔化すようなキスような気がしてならなかった。
「ねえ、何か隠してるでしょ?」
翔真の唇を手で押さえて、キスを止める。
目を丸くした翔真は、諦めたようにスマホを手に取り確認して、ため息をついた。