センセイ、ありがと。
「……俺は、この学校になってすぐ水無月を知った。水無月、人気だったし、職員室でもいい噂ばっかだからな。
……時々泣きそうな顔してたのもずっと見てた。」
……だからあの時話しかけてくれたんだよね
「……姉貴とおんなじ顔してたから。だから分かった。……苦しい時に、人に頼れてない顔。
お姉ちゃんだからって、兄弟を全力で守ろうとして、いつも笑顔でいなきゃって思って、自分がどんな顔だったのかも忘れるくらい笑顔で、それが俺にとって一番心配だった。」
……
「うん。……」
センセイにとって私は『心配な存在』
わかってる。
「……でもな、そんな大変な状態な時に友達にも優しく、笑顔でいる姿もちゃんと見てきた。
そういうとこが好きだった。」
………………
……………
………?
「え、いま、なん…て?」
「好きだよって言った。」
「ふ、え、?」
ど、どういうこと、?
「ずーっと好きだった。」
「え、ええぇ?」
情けない声しか出てこない。
「あはは、かわい。……ほんっと。」
心の底から愛おしいみたいな顔でこっちを見てきたセンセイの目線に耐えられず思わず顔を隠した。
「顔見せて?」
「む、むりぃ、」
な、何この状況。
「センセ、それ、ほんとう?」
顔を隠しながら聞く。
「ほんとだよ。俺は水無月が俺のこと気になる前から、水無月のこと好きだったし。」
「え、えええ、」
「さっきからそればっか。もっと反応してよ。」
し、してるよ。
もうキャパオーバーです、
「センセイ、大好きです。」
頭からプシューと音を立てんばかりに顔が熱い。
「うん。俺も好き。」
だから、センセイ、
キャパオーバーですってば……