王子は私のモノなんです!
気付けば溢れ零れた涙を舐めとるように舌を這わされる。

「あれ、これは許可されてなかったかな、口付ける許可はいただいていたので構いませんよね?」

そしてやっと質問されているのに頷くしか許されていないことを知る。
意思の強いルビーの瞳から逃げたくて、でも逸らせなくて。
琥珀色の瞳が揺れているのをセルジオが見ていて。

「カテリーナの瞳は月の光の下では少し銀に近く見えるのですね、あぁ、髪も瞳も貴女自身も俺の色に染まってくれるなんてこんなに嬉しいことはありません」

さぁ、許可を。
そう付け加えられた一言は絶対の命令。
気付いてしまったカテリーナはもう従うしか出来なくて。

「あ、貴方のモノにしてください···」

しかし、その答えを聞いたセルジオは首を左右に振った。

「いけませんカテリーナ。慣らしていない貴女の蕾をこじ開けると散ってしまうでしょう。まずは指で触れる許可をお与えください」
「は、はい、許可···します···っ」

カテリーナがそう口にした瞬間、夜着の上からグリッと強く擦られる。

「んあっ」
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