王子は私のモノなんです!
もちろん体面というものがあるので表立って何かする訳ではないが、この初夜で力関係を確実なものにしようとカテリーナは考えていた。


侍女にノックをさせ、返事も待たずに寝室に入る。
窓際に立っている青年は、あの美しい少年の面影を残しつつ妖艶に見えた。

「申し訳ございません、旦那様。少し遅れてしまったかしら」
「構いませんカテリーナ。来てくださっただけで夢のようです」

跪いて手の甲にキスを落とすその姿に恍惚とした。
セルジオはその状態のまま、じっとカテリーナの表情を伺っていて、その様子が更にカテリーナを愉快にさせた。


ーーーそう、それでいいの。
私を乞い願いなさい。
次の命令が欲しいとかしずきなさい。


堪えられない笑みをなんとか押し込め、触れている手を軽く握る。

「連れてってくださるかしら?」

こくりと頷いたセルジオにエスコートされ、ベッドに座る。
羽織っていたガウンを脱ぎ、レースの夜着を見せつけるように背筋を伸ばす。

セルジオの視線を感じ、その視線を追うように覗き込むと恥ずかしそうに逸らされそれがまた愉しくて。
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