王子は私のモノなんです!

3.貴女のモノになるために

カテリーナに何度でも何度でも、カテリーナのモノが俺だとそう教え込む為に。実感して貰うために。
弟の存在をちらつかせ、そして消して。

やはり俺しかいなかったのだと、そう実感した暁には王妃という立場をカテリーナに捧げて···

「セルジオ」

執務室の机ごしにカテリーナが手を伸ばし、俺の頬にそっと触れる。

「私のモノは貴方です、そしてその貴方が私以外を見ることが不愉快ですわ」
「ご、誤解です!俺はカテリーナしか見ていません!」
「そうですか?では何故私の望んでいるものがわからないのです?」
「カテリーナが、望むもの···?」

カテリーナに捧げられるものを考えて、カテリーナが望むだろうものを準備して。

ーーーそれは確かに、俺が考えたカテリーナの望むもの···?

頭の中が真っ白になる。
カテリーナが本当に望むものって···?

「セルジオ、私を見ていますか」

そう静かに告げられ、彼女の姿を真っ直ぐに見つめる。

「貴方が私のモノであるのと同時に私の唯一が貴方です。ならば貴方が捧げるべきが何かはわかりますね?」

それは今持っていない立場や国などではなく。
俺が今持っている、その全て。
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