王子は私のモノなんです!
わざとらしく足を組むと、すぐにセルジオがしゃがみ靴を脱がしてくれた。

「旦那様」
そう声をかけ、そっと視線を自身の横に動かすと、おずおずとそこに座る。

その従順な様子に優越感を抱いた時、セルジオの顔が近付いてきたことに気が付いて。

唇が触れる寸前でそっと顔を背けた。

「カテリーナ?」
「初夜ですわ、私ハジメテで怖いんですの。ですので旦那様には全て許可を取っていただきたいですわ」
「許可、ですか?」

はい、と鉄壁の笑顔を向けると、さぞ困った顔をしているかと思ったセルジオは予想外に微笑んでおり、わかりましたと頷いてくれた。
余りにもあっさり納得されたので拍子抜けしてしまったが、今からカラダにもセルジオはカテリーナのモノだ、と教え込む事を想像し深くは考えなかった。

重要なのは、もう我慢出来ないと懇願されること。
少しでも長く焦らし、そして従順に許可を求められること。

セルジオの全ては私のモノなんだから。
それをセルジオ自身にもしっかり刻まなくてはならないわ。
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