心の中だけうるさい私はウチの坊っちゃんが可愛くて仕方ない

　また新しい表情で私の心のメモリを更新された坊っちゃんは、私の頬に口付けを落とし、首筋をなぞる。
　鎖骨まで移動した唇は、つつ……と胸まで下がりツンと立っていた乳首だけを避けて下乳に吸い付いた。

　ぢゅ、と強く吸われ痕をつけられたのだと察する。

「いいか、吸い付くってのはこういうことで、決して子供扱いを助長するような……」
「見えませんね」
「え？」

　あ、と思った時にはもう口に出てしまっていて。

“口に出すつもりもお伝えするつもりもなかったのですが”

　しかし専属メイドとして坊っちゃんの疑問を有耶無耶に流す訳にはいかない。
　仕方ない、と諦めた私が渋々口を開いた。

「そこだと自分では確認出来ませんので、それが残念だと思ったのです」
「あ、え？キスマークのことか？」

　ぽかんとした坊っちゃんの言葉を肯定するように頷くと、すぐに今度は私の乳首の少し上に吸い付く坊っちゃん。

　再びぢゅ、と強く吸われ、何ヵ所も痕をつけられる。

「いくらでもつけてやる、っていうか、俺が！つけたいからつける」
「はい」
「ここはもう真っ赤だから、痕をつけても見えないかもなぁ？」