心の中だけうるさい私はウチの坊っちゃんが可愛くて仕方ない
「そ、そうか!?」

 私の言葉を聞いた坊っちゃんがぱあっと表情を明るくされて。

「うっかりが私相手に起こらないよう、下着をつけて参ります。下着の上からであればうっかりは起こりませんので、お好きなだけ擦り付けください」
「そうくるか……」

 そして明るくなった表情が一瞬で陰った。

“完璧な打開策だと思ったのですが”

 うっかりも起きないのに何故項垂れてしまったのかしら、と疑問を抱えつつ、覆い被さる坊っちゃんの下で無理やりうつ伏せに体勢を変える。

 うつ伏せのままベッドの端から落ちそうになっていた自身の服に手を伸ばすと、項垂れていたはずの坊っちゃんが私の腰を突然両手で掴んで。


「……今日は見逃してやるから、次回までにうっかりについて考えてこい」
「うっかりについてですか」

 うっかりの何を考えるのかを確認する間もなく、腰を上げさせられ足をしっかり閉じさせられた私は、後ろからのし掛かるように体重をかけられて。

“これはっ、私の太股を坊っちゃんのが何度も出たり入ったりしてますね……!”

 所謂素股というやつだ。
 知識だけは聞いたことのあるその擬似本番行為。
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