恋を忘れたアラフォー令嬢~遅咲き画家とのひとときの恋
そこには、色とりどりのおとぎ話に出て来そうな家が建ち並び、道には花が一面咲いている。
凄く細かい所まで、色を重ね合わせてる。
やっぱり、自分の中に思い描くものがあるんだ。
引き込まれる。
「目の前の景色でないのに、これだけ創造性豊かに描けるんですね」
その言葉に手の動きが止まった。
「あっ、すみません。邪魔してしまって。あまりに素敵でつい…」
「いえ、いいんです。ここで描くのは下絵です。これを元に自宅のアトリエで描きますから」
「アトリエ・・・素敵ですね」
照れて微笑むその横顔が、凄く色っぽく見えた。
年頃は私より少し上かな。
目鼻立ちがはっきりしているけど、髪に隠れ、眼鏡で分かりづらい。
「また、見せていただけますか?とても勉強になります」
「えぇ、私のこんな絵で良ければ」
その人の優しい笑顔に、私の冷め切った心の底が、少し揺れ動いた。
それから毎週土曜日になると、土手に向かい、彼に会うのが習慣になっていた。
「こんにちは」
あとから来た彼から声を掛けてくれた。
「こんにちは」
「絵、だいぶ仕上がって来ましたね。・・・少し、口を挟んでもいいですか?」
「え、えぇ・・・」
「ここなんですけど・・・」
凄く細かい所まで、色を重ね合わせてる。
やっぱり、自分の中に思い描くものがあるんだ。
引き込まれる。
「目の前の景色でないのに、これだけ創造性豊かに描けるんですね」
その言葉に手の動きが止まった。
「あっ、すみません。邪魔してしまって。あまりに素敵でつい…」
「いえ、いいんです。ここで描くのは下絵です。これを元に自宅のアトリエで描きますから」
「アトリエ・・・素敵ですね」
照れて微笑むその横顔が、凄く色っぽく見えた。
年頃は私より少し上かな。
目鼻立ちがはっきりしているけど、髪に隠れ、眼鏡で分かりづらい。
「また、見せていただけますか?とても勉強になります」
「えぇ、私のこんな絵で良ければ」
その人の優しい笑顔に、私の冷め切った心の底が、少し揺れ動いた。
それから毎週土曜日になると、土手に向かい、彼に会うのが習慣になっていた。
「こんにちは」
あとから来た彼から声を掛けてくれた。
「こんにちは」
「絵、だいぶ仕上がって来ましたね。・・・少し、口を挟んでもいいですか?」
「え、えぇ・・・」
「ここなんですけど・・・」