恋を忘れたアラフォー令嬢~遅咲き画家とのひとときの恋
【それから・・・アラフォーの私】
家を出て、約20年。
私は今年で、43歳になる。
南都家を出てから、上場企業に勤め、40歳で総務課長になった。
ここには、私が南都商事の社長令嬢と知る人はいない。
製造業で、男性が9割の中、辛い事もあったけど、今は信頼も得て、忙しい毎日を過ごしている。

「南都課長。ちょっと相談したい事があって、こっち来てもらっていい?」
席の離れた所から声を掛けてきた相手は、三田 忠(みた ただし)営業課長。
同期で28歳から付き合い、32歳で別れた元彼だ。
「えぇ」
私が歩いて行くと、周りに人が居ないのを確認して、声を掛けてきた。
「今日、家に行っていい?」
「いいけど、9時頃にしてよ」
「鍵貸してよ。君の家で先に待ってるから」
「いやよ、彼氏でもあるまいし」
「元彼なのに・・・分かったよ。じゃあ、9時ね」
いつもの約束をして、席に戻った。

その日の夜、8時に家に着いて、シャワーを浴び、夕食を済ませて待っていると、9時丁度に、忠が来た。
「シャワー、浴びてくるよ」
「どうぞ」
シャワーを浴び、腰にタオルを巻いて出て来た忠は、寝室の前に立ち、
「弥栄子、早くおいでよ」
忠に呼ばれた私はベットに向かい、お互い体を求め合った。
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