幼馴染の溺愛。

朝

「ゆい、起きて」

今日で何度目かのその言葉を聞いてしぶしぶ目を開ける。

そこには幼馴染の姿が。

「あ、起きた。おはよ。」

私、鶴野ゆい。今日から高校生！

おはようと返す相手は、来栖冬夜。私の大好きな幼馴染だ。

「初日から遅刻するつもり？」

そう聞いてくる冬夜君はなんだかお母さんみたい。こんなこと言ったら怒られちゃいそうだけど。

そんなことを考えていた私の視界に入ったのは衝撃の時間を指している掛け時計。

「やばい！！」

慌ててベッドから起き上がり制服を着ようとパジャマに手をかけたとき、

「ちょいちょいちょい！」

後ろから慌てた声が。あ...。

「あぁー！変態！」

「いやいやいや。ゆいのせいだし。てか見てないし。」

確かにと当たり前のことを考えている私の前を素通りしてドアの方に行く冬夜君。

「じゃ、急いで降りてきてね。」

そう行ってリビングのある一階へ向かった。

ふぅ。と息をつきながら着替える。

冬夜君は幼稚園のころからの幼馴染。もんのすごい顔が整ってて、性格もいい。いわゆる王子様系男子だ。

小さいころはかわいいかわいいと言われていた彼も、今ではモデル並みにかっこいい。

それに比べて私は...。考えるのはやめよう！なんてったって今日は入学式なんだから！