天使のような僕の彼女
「うわ、き?」

尋常じゃない程の汗が頬を伝っていく。

顔を上げると悲しげな瞳を揺らす陽葵と目が合った。

ショックを受けているに違いない。

とてつもない後悔に苛まれる。

僕は……っ、

こんな可愛い、天使のような彼女を……

傷付けてしまった。悲しませてしまった。

「ほんっとごめん……!気が済むまで殴ってくれていいから!」

どんな制裁だって受ける……!

殴られる覚悟を決め、目を瞑った時…

「いいよっ」

いつもと何ら変わらぬ明るい声が降ってきた。

「え?」

「全然っ!気にしてないから大丈夫だよっ、逆にお話してくれてありがとうっ、優希くん」

「いや…っ、え、怒らない…の?」

殴る所か気にしていない?
気にしていない所か
お話してくれてありがとう?

思わぬ反応に拍子抜けしてしまう。

「怒らないよっ!ちょっと他の女の子もいいな、って思っちゃっただけでしょ?」

「う、ん…でも、僕にとってやっぱり1番は陽葵だから!」

「あははっ、うん!ありがとうっ」
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