天使のような僕の彼女
僕の彼女は…、なんて天使なのだろうか。

「ほらっ!授業始まっちゃうよ?行こっ!」

陽葵はひまわりのようにニコッ、と優しく笑うと僕に手を差し伸べてきた。

「うん…っ」

なんていい子なのだろうか。

柔らかくて優しい温もりのある陽葵の手をギュッ、と握って歩き出したその時。

隣で陽葵が「あっ」と声を上げた。

「どうしたの?」

「優希くん、ちなみにねっ、」

長いまつ毛をクリン、と
揺らしながら陽葵は教えてくれた。


















「私はもう1年ぐらい前から三股してるっ!」









「・ ・ ・」


「……え?」

思いもよらぬ衝撃的な告白に僕は固まった。

さ、さ、さ、さ、さ、さ、さ、三股!?!?

目をまん丸にする僕を見て、
陽葵は口元に手を当て、クスクスと笑った。

相変わらず可愛らしい笑顔だった。

「だからねっ!全然だいじょうV〜っ!」

天使のような笑みで……

いや。

……悪魔のような笑みで

陽葵は僕にピースサインを向けたのだった。













「私は許してあげたから、
優希くんも許してねっ!」


【終】
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