あしらってるつもりの浅黄くん SSまとめ
 ひと呼吸おく。


「……新しい環境になって、漠然とまわりに置いてかれてるのお前のせいにして、八つ当たりしただけ。まじで俺ガキすぎ。あと……」


 また顔があつくなってきた。


「さっきのは……あやまりたいのにお前、絡んでこなくなるし。俺のせいだけど。なのにお前、ほかのやつに絡んでるし、よりによって傘……」

「やきもちやいちゃったの?」


 かぶせるようにうれしそうな声がする。
 言われたくなかったけど、どうみてもそうだし、いつもみたいに「ちがう」とか言い返せなくてだまりこむ。


「わたしもいっしょー」


 ぎゅ、とやさしい力で千歳が抱きついてくるけど、振りほどけない。


「浅黄くんのみんなにやさしいところ、すきなのにやきもちやいちゃった。あんまりかわいくない気持ちでそばにいたくないから、セルフみそぎ(・・・)してたの」

「そんなの気にしねーよ、いまさらだろ。お前もともと嫉妬深いし。ずっと避けるつもりだったのかよ」


 千歳が「え」と変な顔をした。


「そんなわけないじゃん、明日から話しかけるよ」
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