君と一番の恋をする
「……盗撮のこと、俺知ってたんです。なんか、見られてんなーとは思って。あいつらが盗撮してることに気が付いたのは、あのデートのとき。……でも先輩に言ったら、怖がると思って言えなかったんです。だけどもし俺が言っていたらこんなことにはならなかったわけなので。それは、すみません」

「っ、陸人くんは悪くないよ」



その横顔が切なげに見えて、私は食い気味に弁解する。

そしたら、じっと鋭い視線を向けられた。



「それ」

「え?」

「あいつらにも言ったんですよね。俺のこと、悪くないって。しかも嘘までついて。……俺、先輩のそういうとこ嫌いです」

「え、ええっ」



“嫌い”って、なかなかどストレートだな、陸人くん。

ちょっと真面目に傷つきながらも、冗談だったら怖いな、とか思ってごまかすように上を向いてみる。



「……ほら、やっぱり先輩、声は大きいくせに大事なことはなにも言わない。いつも笑って、突拍子もないこと言って。でもそれって本当の気持ちをごまかすためのフィルターですよね」

「……え」
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