君と一番の恋をする
「———先輩」

「え?」



呼ばれて見上げると、陸人くんが優しく微笑んだ。



「……がんばりましょう」
「うん。そうだね」



バレないように、私はいつもの調子で力いっぱい笑い返してみる。

別れて、私は教室に向かう。

……そのとき、急に視界がちかちかと瞬いた。すると、目の奥のほうがぼんやり痛くなる。
思わず立ち止まって、壁に寄りかかった。
気のせい、だよね。


身体は強いほうだし。
私は自分にそう暗示をかけ、気合を入れた。
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